トゥーツ・シールマンス@ブルーノート東京

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今の自分には最重要アーティスト。ブルーノート東京での公演3日間、2ステージ目を全て見た。
初日。
トゥーツは相変わらず、ステージの上では投げキッスしたりチャーミングだったが、旅の疲れからか演奏はかなり辛そうだった(ま、それでも十分凄いけど)。バンドのアレンジもまだ練られておらずかなりヒヤヒヤ。このステージしか見ていない人はちょっと気の毒かもしれない。
しかし。
「Music is my vitamin.」
今日ステージでトゥーツが口にした言葉だ。
82歳。ステージまで歩くのもゆっくり、ゆっくり。それでもなお、こうしてベルギーから遙か遠くの日本に来てくれるトゥーツ。本当にファン冥利、ハーモニカ冥利に尽きる。
二日目。
整理番号5番!最前列のToots真正面!
昨日とはうって変わって、すンばらしい演奏だった。特にI Do It For Your Loveが出色。
1曲目、演奏しているTootsにずーーーっと見つめられた。ドキドキ。
終演後、ピアノのカレル・ボエリーさんに話しかけたら「今日の2ステの演奏は最高だった!」と言ってました。納得。
三日目。
Green Dolphin Street、The Dolphin、Dolphin Danceのイルカづくしで始まる。二日目に続き演奏されたMidnight Cowboyが、パットメセニーグループかと思うようなアレンジでめちゃくちゃかっこよかった。
最後はルイ・アームストロングに捧げる、といって演奏されたWhat a Wonderful World。泣きながら演奏するTootsにこちらも貰い泣きした。
「I hope we will come back.」
というトゥーツの力強い言葉を信じよう。
この日の終演後も大収穫。
終わったあとに片づけをしているマネージャー氏にハーモニカを見せてもらえた。
ステージも普段も5~6本を用意しているが、トゥーツはそこらじゅうで吹いては置きっ放しにしてしまうので、片付けるのが大変らしい。
トゥーツが公演中ずっと吹いていた「F1」というシールを貼ってあるMellow Toneについて質問。単に識別用のナンバーで「03A」だったら2003年の最初のハーモニカ、といった意味らしい。
中に1本、Hard Bopperのカバーで、メッキなしの厚いリードプレートのものがあった。
「プロトタイプだ」とおっしゃっていたが、既発売のHard Bopperのプロトタイプなのか、新機種のもの
なのか聞き取れなかった。いっぱい聞けない、いっぱい喋れない英語力。嗚呼。

サザンオールスターズ@横浜アリーナ

あけましておめでとうございます!
今年は音楽に始まりました。暮れも迫った頃に、急にSASの年越しライブに誘われ、二つ返事で観に行くことに!
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初めての生サザン、やはり桑田圭祐のエネルギーはすごかった。23:45に開演、カウントダウンはフリフリの後でした。何千人といっしょに年始を迎えるのはまた格別でした。エマノンetc.古い曲もやってくれました。バンドとしてもキャリアに裏打ちされた安定度は抜群でした。バンドっていいですね。
そんなことで、人生初、年始に帰省となりました。
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新幹線の車窓から撮った1月1日の富士山です。 めでたい。
てなことで、今年もよろしくお願いします!

pinoca with 真理@楽屋(中目黒)

前半のpinocaは前回と同じメンバーでの演奏。1ステージ分にエッセンスがぎゅっと凝縮されていて、構成もテンポも気持ちが良かった。
田中光栄師匠の演奏は、これ以上無いほど音色の幅が広く、特にバラード系の曲でのブレス混じりのトーンの美しさったら、ない。何か、また一段高い所に上った、という印象だった。
後半の真理さんはピアノ弾き語りメインの演奏。まるでエリック・サティが21世紀に女性として生まれ変わって、弾き語りをしているといった風情。いわゆる正統派ではない一癖あるスタイルも、原田郁子とか安藤裕子に通じるものがあり結構好みのサウンドだ。pinocaとのセッションもとても楽しかった。
手売りの7曲入りCDも購入。ミュージシャン自ら釣り銭の調達まで大奮闘!(笑)
急に誘ったのに快く付き合ってくれた同僚もとても満足してくれて、こちらもほっとした。

「アストロ劇團」再開

大学時代のバンドサークル(千葉大Sound House Zoo)のカップルが昨年入籍した。時を経て11月にいよいよ披露宴&2次会が開催される。バンドサークルの仲間なんて「早くバンドやりたいから、おまえらとっとと結婚しろよ!」なんていうジョークが定番になるくらい、お約束中のお約束。今回も新郎S氏がバンマスだった「アストロ劇團」が復活する。
名前から推測されるとおり、野球ネタのコミックバンド…ではない。ソウルフルなテイストのオリジナル曲を中心に演奏する本格派のバンドだ。
S氏による曲は、スティーリー・ダンを彷彿とされるコード進行など、非常に凝っていてかっこいい。10数年たった今聴いても、むしろ昔以上に新鮮で刺激的だった。
しかし、いかんせん学生時代の曲。今回の演奏予定曲の楽譜類が残っていない。
そこで、俺が代表して数日かけてコード&リズム譜を作り、音源のCDを複製し、メンバーに発送した。こうするだけでも忙しいメンバーの時間も節約でき、スタジオ練習もスムーズに進めることが出来る。しかも俺は譜面の書き方の勉強も出来るわけで一石二鳥。
最近お声がかかるバンドは率先してこんな作業をしているのさ。

QP-DESIGN@渋谷La.mama

QP-DESIGNというバンドのライヴ。
このバンドは、クラリオンガールで有名な、あのクラリオン主催のバンド・コンテストで見事にグランプリに輝いた、いまとても勢いのあるバンドだ。
ドラムのgo-kunとは大学のサークルが同じで、バンドもよく一緒だった。一番印象的だったのは、彼とともにシング・ライク・トーキングのコピーバンドをやったときのこと。94年のことだったか。Is It Youというバラードをはじめオリジナルが打ち込みという曲が数曲あったが、彼の非凡なセンスで素晴らしい演奏になった。
2年前に友人の結婚式で一緒にバンドをやって以来、久々に聴く彼のドラミング。強烈なバックビートはもちろん健在(もー、ホントに好き)。しかも、ベーシストとのリズムの相性もバッチリ!
一聴すると、ストレートなヴォーカルをフィーチャーしたポップロックを基調とするバンド、という印象のQP-DESIGNだが、そんな表現ではもの足らない。タイトなリズム体+カラフル&ビューティフルなサウンドのギタリストも含め、テクニシャン揃いのメンバーばかりだから、アレンジのバリエーションがとても広い。聴いている方はもちろん、きっと演奏したり曲を作るのも楽しいだろうな。
なーんて、小難しい話より、今日のお客さんたちもとても盛り上がってました!それが全て!がんばれ!
http://www.qp-design.com/

カサンドラ・ウィルソン@名古屋ブルーノート

先ほど名古屋ブルーノートでカサンドラ・ウィルソンのファーストステージを見た。
もちろん目当てはツアーメンバーのGregoire Maret(グレゴア・マレ)というクロマティック・ハーモニカ奏者。
PAが今イチでハモの音量が小さく(怒)、音色がはっきりわからなかったのがすごく残念だが、フレージングはスティーヴィーとトゥーツのイイトコ取り、聞き慣れぬジャジーなフレーズが結構ガンガン出ていた。
ハーモナイザー(エフェクター)でオクターブ下の音をミックスしてアコーディオンっぽい音色にしたり、バス
ハーモニカを持ち出したり、「バンドの中のハーモニカ」としても色々と面白いアプローチがあって勉強になった。
終演後に「僕はクロマチックハーモニカを習っているので、今日はアナタを見に来たんです」と声をかけたら、「キミの音も聞かせてくれ」云々と気さくに相手してくれて彼のホームページも教えてもらった(あったのね…知らなかった)。またそのうち感想などメールしてみよっと。

Tap Do!公演

Tap Do!とは先日知り合いになったポケさん率いるタップ・エンターテインメント集団。ちょっと並んだおかげで今回の最終公演を最前列で観ることが出来た。
いや~すごかった!おもろかった!!
音楽あり、お笑いあり、しかし押さえろところはビシッと素晴らしいタップで押さえ…エンディングの歌のように、お笑い8割タップ2割(笑)かもしれないが、とにかく出演者やスタッフ一丸のエンターテインメントだった。満員で立ち見が出るほどのお客さんにも大受け。
タップだって音楽だって「お客さんを楽しませる」それが舞台に上がる目的だ、ということを再認識した。そのためにはルールなどない!!ということも。これだけ緻密に一つの舞台を練り上げるのは並大抵の苦労ではないだろうな。
本当にすごい公演で、ただ楽しい、以上の刺激を受けた。
だからって、明日タップシューズを買いに行く、ということはありません。念のため(笑)。

Going Straight

HAPPY HOURS@自由が丘Mardi Gras(マルディグラ)
HAPPY HOURS@自由が丘Mardi Gras(マルディグラ)
久しぶりの自由が丘。森孝人さん(G)須田義和さん(Ds)お馴染み西村雄介さん(B…珍しく?アップライトのエレベ)&田中光栄師匠(harmonica)のセッション。少しファンク目のアレンジで、スタンダードあり、スティーヴィー2曲あり、好みのストライクゾーンど真ん中なので楽しんだ。お客さんも満員。
急遽お呼びがかかったセッションバンドだったそうだが、今日の師匠の演奏には、躊躇とか迷いとかがほとんどなかった。俺ともう一人の生徒さん以外のお客さんは師匠を知らなかったはず。師匠にとってはアウェイの試合のようなものだろう。にもかかわらず、他のメンバーを食ってしまうぐらいの勢いがあったし、実際、受けていた。
師匠ご本人の弁でもあるが、リズムと勢い。これ大事。痛感。
終演後、お話をしていたら森さんはアン・サリーのバックメンバーとして、そして須田さんもJ-WAVEへの出演経験があるとのこと。日がなJ-WAVEを聴いている自分としてはちょっと嬉しかった。

Going to the concert again.

今日も昼練したぜ。
■ [live] 古内東子コンサートツアー「フツウのこと」@Bunkamuraオーチャードホール
4/24の名古屋は半分偶然のようなものだ。最初から行く予定にしていたのはこちらの日程。ツアーファイナル。
しかし、こうも違うものなんだ。
名古屋の方は、ツアー前半。演奏も固かったし、投げやりなMCも含め、10年選手としては「大問題」のステージングだった。ただでさえ少なかったお客さんも、あれじゃあ盛り上がろうはずもなく、しらーっとした雰囲気。
で、本日。
やっぱり課題は歌そのもの。アップテンポの曲はそこそこいいのに、肝心の聴かせる曲がヒヤヒヤものだった。年齢とともに声のレンジが狭まるのは人間だから不可避。ちょうどソ~♭シあたりがファルセットと地声の境界線のようだ。代表曲「誰より好きなのに」はそのあたりの音が満載で、昔は余裕で地声だったサビのアタマのラ♭ラ♭ラ♭ラ♭ラ♭ラ♭シ♭シーのところなんか聴けたもんじゃなかった。圧倒的な歌唱力は別に期待しているわけではないけど、ちょっとな。
しかし、それでも今日は、前回とは別のアーティストのライブかと思えるほど違っていた。最終日でバンドの演奏も最高。おとぼけ感を残しつつのMCも大いに盛り上がった。何より、会場を出るときの顔を見れば良かったか悪かったかはっきりわかる。お客さん自身も本当に好意的だった。
スガシカオが自分のラジオ番組で、よくライブについて語っている。あらゆることを考え抜いて、自身も最大限のパフォーマンスをしつつ、客をクールに観察する。バンドメンバーを鼓舞し、客をあおる。実際彼のステージを観たことがあるけど、そりゃすごい気迫だ。「最高のエンターテインメントのために、この瞬間に何をすべきか」がはっきり見えている。
こんなこと書くのは10年来のファンとしてはとても辛いが、古内東子というアーティストはプロ意識が不十分なんじゃないか、とか、周りにイエスマンしかいないんじゃないか、とか心配になってしまう。10年前に20歳そこそこのウブな客も、10年間に古内東子以外の音楽もたくさん聴きライブも観ている。それだけじゃない。社会でもまれて、それぞれの分野のプロをその目で見ているのだ。採点基準はそりゃ厳しくなるぜ。
今日は、甘く採点して及第点。もう1回観てがっかりしたら、もうライブは行かないだろうな。
アルバムは素晴らしいかったので次も買うけどね。

鈴木祥子@東京キネマ倶楽部

鏡を見てちょっとビックリ。昨日の日焼けでガン黒だった。中村ガン黒、なんつって。
えー、
■ [live] 鈴木祥子@東京キネマ倶楽部
初の鶯谷かも。東京キネマ倶楽部は、昭和的ゴージャス感のある不思議な雰囲気の会場。
唄+ピアノ、ドラム、チェロ、バイオリン、という珍しい4人編成のライブだった。時々チェロかピアノでベースパートをフォローしていたが、基本的にはベースレスのアレンジ。昨秋のデビュー15周年ライブの時にも感じたが、どうもバイオリンはおまけっぽいなぁ。即興性が重視されるのはわかるけれど、ダイアトニックスケールばかりのフレージングで、練られてない、という印象。特に昔の曲で顕著だった。
し・か・し。
新譜マキシシングルのBLONDE、PASSIONと、依存と支配あたりの尖ったテイストが必要な曲は、彼らのサポートなしなんて考えられない。すンばらしいアンサンブルだった。CDもライブも出色の出来。
公式サイトで試聴可。聴くべし。
さて、鈴木祥子の音楽のファンになってかれこれ15年。
人間生きていれば順調な時ばかりではないが、彼女の作品にもプライベートの影響が色濃くにじむ。聴く側としてもそれにドキッとさせられたり、時には痛みさえ感じる。
彼女が揺れているさなかに生み出す曲たちも、単純にメロディー・ハーモニー・リズムの集合体としては、恐るべきクォリティを持っている。この辺に、彼女の音楽的な懐の深さや、曲そのものにかたむける愛情の深さを感じる。ヘボいアマチュアミュージシャンながら俺も一応作曲はするわけで、これがどんなにすごいことかよくわかる。
今日のライブで、いみじくも
「時には自分のすべてをさらけ出すような曲を作り、それを人前で歌う、という仕事に、なぜそこまで自分を傷めつけるようなことをしなければならないのかと自問する。けれどそれでも曲を作って唄うんだ、あたしは。」
という意のMCがあった。泣けるよ。マジで。
「雄々しい」という言葉は女性に対して使ったらおかしいかもしれないが、ステージ上でシンガーソングライターという職業を全うしている彼女をみて、新譜のBLODE/PASSIONを聴いて、そんな言葉を思い出した。彼女の曲には、俺の(今となっては辛い)思い出がたくさん結びついているけれど、この人が全存在をかけて唄っている限り、俺はこの人の音楽をたぶん一生聴くんだろうなと思う。
おー。なんか語っちまったなぁ。