野獣死すべし on VHS(10作品目)

リリー・フランキーがとあるテレビ番組でこの作品を絶賛していて、これは見ねば、と。
松田優作扮する、元通信社カメラマン伊達は、数々の戦地での経験から人を殺すことに快感を覚えてしまい…というクレイジーな映画。
野獣死すべしが公開された1980年当時と違い、26年後はテレビゲームの中で気が済むまで人殺しができる世界だ。チャーリーとチョコレート工場でも「Die!Die!!Die!!!」と絶叫しながらガンコントローラーをぶっ放す子供が登場する。
テレビゲーム=悪だとは全く思わないが、先の子供のシーンは、怖い、と思った。伊達と同じようなメンタリティーの人間は着実に増えていると思う。逮捕後「人を殺してみたかった」なんて犯人が自供する不愉快な事件はその発露なんじゃなかろうか。
たくさんの殺人シーンがある点、あまたのハリウッド映画やら24やらも同じようなものだが、暗い自室でクラシック音楽に耽るシーンに代表される狂気の表現の凄みが全く違う。これはエンターテインメントなんだろうかと自問しつつ、醜悪なものこそが芸術だと言い放った岡本太郎の言葉も思い出した。★★★★☆。暗いシーンが多いので、その微妙なトーンを映画館で味わってみたいなぁ。
野獣死すべし
野獣死すべし

投稿者: mellowtone

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