モンマルトルの夜をもう一度(トゥーツ・シールマンス出演DVD)


BETWEEN A SMILE AND A TEAR(モンマルトルの夜をもう一度)

ニルス・ラン・ドーキー
デンマークはコペンハーゲンにあった名門ジャズクラブ「モンマルトル」。ニルス・ラン・ドーキー(p)の主唱で2日間だけ限定で復活!
空港にメンバーが三々五々集まってくる。そしてリハーサル、本番、そしてまたメンバーは世界に散っていく。ちょっとロードムービー風でもある。オフステージのミュージシャンの描写が中心で、コンサート映画ではなく、ちゃんと「映画」になっています。
この作品でトゥーツは2つの名言を我々に授けてくれました。

ジャーナリストに「どこが一番リラックス出来るか?」と聴かれて、無意識に「Between a smile and a tear」と答えた…(後略)

そして、

人生とは?それはとても難しい質問だ…(中略)…自分らしく生き、“鳥肌”に従えばいい…(後略)

くーっ。泣ける、泣けるよ。
前後の文脈でかなりグッと来るので、ぜひ映画をご覧いただきたいです。
これまで一番好きなジャズ映画はデクスター・ゴードンが主演した「ラウンド・ミッドナイト」だったけど、この映画がナンバー1になりました。
音楽とは、人生とは、と問いかけてくる、素晴らしい映画です。トゥーツが好きなら絶対に観た方がいいです。

Happy Birthday, Toots!

今日はトゥーツ・シールマンスの86歳の誕生日です!
そして、トゥーツの誕生日企画、ご賛同ありがとうございいます!
僕も、今までトゥーツに関する記事は何回も書いてきましたが、忘れかけていることもあるので、おさらいしてみましょう。
トゥーツの音楽との出会い
元々僕は、西脇辰弥さんが大好きでクロマティック・ハーモニカを知って、その後トゥーツの音楽を聴くようになりました。きっかけはこの記事。
●西脇辰弥、トゥーツ・シールマンスに会いに行く
http://www.atmsphr.com/rooms/rooms1.htm

2000年か2001年ごろにこの記事を読んで「あの西脇さんが尊敬するアーティストなら聴かねばなるまい」と思って聴き始めましたんだと思います。記憶は定かでありませんが、今はなき新宿のヴァージン・メガストアで、記事にもあるMan Bites HarmonicaとBrasil Projectを買ったのが最初だったような気がします。
Man Bites Harmonica
Man Bites Harmonica
Toots Thielemans,Pepper Adams
The Brasil Project
The Brasil Project
Toots Thielemans
最初に聴いたときの印象。Man bites…の1曲目のEast of the Sunのメロディにハマりまくるトゥーツのハーモニカに、冒頭の20秒でノックアウトされました。そしてFundamental Frequencyに代表されるのバカテク。それと引き替え、ビバップ的なフレーズがほとんど聴かれないBrasil Projectとのスタイルの違いにもビックリしました。
そしてクロマティック・ハーモニカを購入。その後も時折この記事を読んでは感動し「人生は常に勉強(Study)だ!!」を実践。つまりトゥーツのCDを買い漁ることになるわけです。今、Amazon.co.jpの購買履歴を見ながら半ばあきれていますが、2003年3月23日にはトゥーツのCDばかりまとめて11枚発注していました(笑)。
しかし、後からトゥーツの作品を聴いて思い出したのですが、高校1年の時(1985年)に同級生のドラマー太田君からケニー・ドリューのTrippinを借りた時に既にトゥーツのハーモニカに接していたのでした。
そして、もっと前に遡ると、小学生の頃にトゥーツの音楽はすり込まれていたのです!当時FM愛知で午前中にオンエアされていた何かの番組のエンディングテーマ(?)のメロディーを、いい曲だなぁ、と思ってずっと覚えていたのですが、後にそれがトゥーツのギター&口笛作品Waltz for Sonnyだと分かったときは鳥肌モノでした。
好きなアルバム
難しい質問だ、ということに今気づきました(笑)。
うーむ(熟考3時間)。
Only Trust Your Heart、かなぁ。
Only Trust Your Heart
Only Trust Your Heart
Toots Thielemans
モダンジャズあり、ピアノデュオあり、ボサノヴァあり、という、アルバム全体の曲のバランスが良くて聴きやすいです。そしてトゥーツのプレイも冴えわたってます。
これから聴いてみる、という方にお勧めできるアルバムは本当にたくさんあります。上述のBrasil Project1&2はハーモニカファン以外からも評価の非常に高いアルバムです。
近作ではケニー・ワーナーとの競作「この素晴らしき世界」も外せません。全てのイヤなことを忘れ、身も心もトロトロになって眠りにつける、実用的な(?)アルバムです。
ビバップ時代のアルバムはそれほどたくさん発売されてはいません。その中ではやはりMan Bites…が代表でしょうか。トゥーツ自身のスタイルが変わったように、70年代以降の録音の方が、よりクロマティック・ハーモニカらしい、と言えるかも知れませんね。
あなたにとってトゥーツ・シールマンス(の音楽)とは?
トゥーツの音楽は、ここで書ききれないほど僕にたくさんのものを与えてくれました。感動だったり、満たされた時間だったり、ハーモニカのトレーニングに練習に必要なありとあらゆる素材だったり…。
まちがいなく、人生最重要アーティストです!
ありがとう、トゥーツ!
誕生日おめでとう、トゥーツ!

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“Jazz Is Good For You.”+トゥーツ誕生日企画

以前、ブルーノート東京の最前列でトゥーツのライブを見たときに、こんなエピソードがありました。
●mellowtone、トゥーツにいじられる、の巻
http://www.do-mi-so.net/?eid=436375

これを、音楽評論家の吉岡正晴さんがブログに書かれていたんです!
吉岡さんは田中光栄さんのブログの記事の最後に紹介されているブログを運営されています。そのブログを読んだ光栄さんが、わざわざ僕にメールをくださったのでした(ありがとうございます!)
●吉岡正晴さんのブログ「Soul Searchin’」
http://blog.soulsearchin.com/archives/001007.html

タイトルのA Manはまさしく僕のこと。
その瞬間「あ、オレ、トゥーツにいじられてる」と相当な興奮でして、トゥーツがそんな名言を口にしていたとは、まった気づきませんでした。
“Jazz Is Good For You.”

しんどい日々を送っているときも、何度もジャズに助けてもらいました。
リスナーとしていい演奏を聴けば心も健やかになり、ハーモニカで難しいスケール練習しているときなどは、直接体に影響あるだろうし。
ほんとにそのとおり…味のある言葉だなぁ。
さて、4月29日はトゥーツ・シールマンスの86歳(!)の誕生日です!
このブログを見ていただいているハーモニカ好きなブロガーのみなさん、もし良かったら、「ありがとう、トゥーツ!」の思いを込めて、
・トゥーツとのなれそめ
・あなたにとってトゥーツ・シールマンス(の音楽)とは?
・好きなアルバム
など、ご自身のブログで語って、それをみんなでリンクなりトラックバックしあいませんか?
この企画に乗ってくれる方、コメントしていただけるとうれしいです。

田中光栄 on YouTube


先のライブの映像がアップされました!
いや~、やっぱ映像で残ってるってのは嬉しいですね。
この曲はブルースハープでの演奏ですが、ブルースハープの方が制約がある分、こういうシンプルな曲だと音色の重要度がアップするんじゃないでしょうか。
光栄さんがブログでお書きになっている「サウンドコントロール」が、クロマチック以上に堪能できる曲、かもしれませんね。
●田中光栄さんのブログ
http://www.tanakakoei.com/?p=36

田中光栄バンド@楽屋(東京・中目黒)

久しぶりに上京しました。目的はいくつかありましたが、メインは田中光栄さんのライブです。
田中光栄
最近セッションライブが続いた光栄さんの、久しぶりのバンドでのライブ。
「心の趣くまま」光栄さんの言葉の通り、曲順がどんどん変更され、前半はバラード系の聴かせる、泣かせる選曲となりました。昨日書いた、という新曲も数曲。Wishingという曲、僕は初めて聴きましたがいい曲でした。
後半は、いつものようにアッパーなラテン系の曲が中心となりました。バンドとの演奏がよほど嬉しいのか、光栄さんのハンパでないはじけっぷりと、それを支える須田さん、西村さん、沢村さんとの対比がとても面白かったライブとなりました。
そして、気になる「超合金スズキ君」がこれ。ラッキーなことにライブ前に見せていただきました。
超合金スズキ君
これは12穴タイプですが、まぁ、とにかくその重さにびっっっっっっっくり。14穴のMeisterklasseよりも全然重いんじゃないかな。あまりに重いので、落っことしたらカバーなど簡単に曲がってしまいそう。16穴も商品化が検討されている、とのことですが、どんな重さになってしまうのやら。
ライブ直前ということで試奏させていただくのは控えましたが(メシも食ってたし)、光栄さんの演奏を聴いてみて、低域のタイトで迫力のある音と、高域の倍音がすっごく豊かな印象でした。光栄さんがクロマチックを曲中でとっかえひっかえしていたのは、比較のためでしょうかね。また、超合金スズキ君の特性に合わせ、マイクは58ではなく、Beyerを使用されていたようです。記憶違いかも知れませんが、昔、西脇辰弥さんもBeyer使われていた気がします。

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「すいか」のクロマティック・ハーモニカは?

「すいか」とは2003年に日本テレビで放送されていた小林聡美主演のドラマ。相方が借りてきたDVDを見て、ハマってしまいました。すっごく面白い。全体としてはコメディーなんだけど、ほろっと来るシーンもあったりして。浅丘ルリ子がコメディにハマっていたのは意外な発見。市川実日子、ともさかりえの演技も良かったなぁ。映画「かもめ食堂」が好きな人には無条件にオススメです。もたいまさこも、片桐はいりも出演してます。
そして、バックにクロマティック・ハーモニカが…しかも好みの音色。ハンドカバービブラートらしき演奏も…むむ、誰だろう。思いつかない…と思って調べてみたら、田中光栄さんでした。Big Horns Beeの金子隆博さんによるサントラにハーモニカ+ピアノユニット「pinoca」での参加でした。知らなかった。
日本テレビ系土曜ドラマ「すいか」オリジナルサウンドトラック(CCCD)
日本テレビ系土曜ドラマ「すいか」オリジナルサウンドトラック(CCCD)
TVサントラ
●すいか(日本テレビ、2003年)
http://www.ntv.co.jp/suika/

田中光栄インストアライブ&セミナー@ヤマハ浜松店

浜松で田中光栄さんのインストアライブとハーモニカセミナーがあったのでちょっと足を伸ばして行ってきました。
田中光栄ミニライブ@ヤマハ浜松
枯葉、涙そうそう、Isn’t She Lovelyといった超スタンダードを中心に、途中でブルース1曲を挟み、最後はオリジナルのa-light-of-lifeを演奏。お店の1Fのステージを囲んで大勢の方々が聴き入っていました。
田中光栄ハーモニカセミナー@ヤマハ浜松
場所を5Fのスタジオに移してのセミナー。まさに今日、その場で買ったハーモニカでデビュー!という方も大勢いらっしゃったのですが、開始から1時間ほどで、ほとんどの方がキラキラ星をいい音色で演奏されていて、これにはちょっとビックリ。「光栄メソッド」のエッセンス満載。光栄さんに習い始めた頃を思い出して、ちょっと懐かしい感じもするセミナーでした。

ライブ情報:田中光栄@楽屋(中目黒)10/29月

満を持して(?)田中光栄さんのサイトが開設されます。
ただいまテスト公開中。アドレスも直球勝負。
http://www.tanakakoei.com
覚えやすい!(笑)
10/29(月)@楽屋でのライブが告知されています。
前々回、そして前回のライブが掛け値なしに素晴らしかっただけに今回も期待大。
(僕も、もしかしたら行くかも?)
要チェック!

Toots Thielemans in エバーグリーン・ミュージック(テレビ東京)

旧友のあらき君がこのブログを読んでいてくれて、トゥーツ・シールマンス出演時(2回分)のエバーグリーン・ミュージック(昔テレビ東京系でオンエアされていた15分番組)」をDVDに焼いて送ってくれました!
1993年の12月13日、東京FMホールにて。来日時にこの番組用に収録したのではないか、と思われる映像です。
Toots Thielemans in Tokyo, 1993
当時、トゥーツは名盤ブラジル・プロジェクト1&2をリリースしたばかり。この頃からThe Island(C?)もセットリストに加わったのでしょう。I Can’t Get StartedはMartial Solalとのデュオアルバムに収録されていますね。
サポートはKenny Warner(p)、 Adam Nassbaum(ds)、Jay Anderson(b)。安定感のある演奏も素晴らしい。この頃のトゥーツが一番好きかも。
Autumn Leaves
I Can’t Get Started
Bluesette
The Island(C?)
Song For My Lady
C-jam Blues
あらきくん、ありがとう!
とっても堪能しましたよ!

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SIDEMAN/Gregoire Maret(DVD)

SIDEMAN/Gregoire Maret
Gorby Harpさんが紹介されていて速攻で注文。1週間経たずスイスからDVDが届きました。パッケージはカラーコピー、盤はDVD-R、という手作り感。画質だってお世辞にもいいとは言えないのですが、とても面白い作品で、入手して本当に良かったです。
2001年~2002年ごろのグレゴア・マレの活動を追ったドキュメンタリー。
まだ無名に近い存在のグレゴアはミュージシャン生活も不安定な時期。演奏活動も決して大きなライブハウスではなく、ジャズ・ギャラリー などの小さなクラブが中心。9.11により仕事が全てキャンセルになったり、というハプニングもあったそうです。
チャーリー・ハンターほかとのニューヨーク、ロスなどでのツアーの合間に、母校や米国の高校での音楽クラスでの講義や、スイスへの帰省といったプライベートなシーンもたくさん。オヤジさんもアマチュアのギター弾きなのですね。実家の一室に置かれるギターケースの山がカッコイイ。
後半でミシェル・ンデゲオ・チェロが登場しますが、彼女がグレゴアをマーカス・ミラーに紹介することからグレゴアは一躍スターダムに登っていくことになるんですよね。
ロードムービー風のタッチも良く、グレゴアの人間性(とってもいいヤツ!)も滲み出てます。楽器を全くやらぬ家人も非常に面白かったと申しておりました。
Gorby Harpさんも書かれていますが、日本の方はNTSC版を入手しましょう。リージョンはフリーなので問題ありません。
そうそう、グレゴアの公式サイトを久しぶりに覗いたら、少しリニューアルされていました。
BGMとしてオリジナル2曲がフルに聴けます。これがまた良い感じで、ソロアルバムのリリースが待望されます。
●Gregoire Maret
http://www.gregoiremaret.com/