V-Synth GTを試奏しました!

ローランドが4月に発売を予定しているV-Synth GT。西脇辰弥さんがブログでも書かれています。何気なく立ち寄った名古屋パルコの島村楽器で、実機が展示されているではありませんか!ローランドのスタッフの方もいらっしゃって、詳しくお話を聞くことが出来ました。
V-Synth GT。まだ発売前の貴重なもの。
気になるボーカルデザイナーについて。僕も使っているVP-550では前V-Synthの拡張機能だったVC-2をスペックアップしたエンジンを搭載。ただしシンプルさを優先するコンセプトで音作りは不可能でした。そしてV-Synth GTでは基本的に同じエンジンを搭載しており、そのパラメーターもエディットすることが可能です!キャリアの音色も当然変えられます。素晴らしい!いただいたカタログによると、ボコーダータイプ4種類(Stereo・Mono・Vintage・Enhance)、フォルマントタイプ7種類を選択できるそうで、それだけでも幅の広い音作りが可能でしょう。
特筆は新たに搭載されたAPシンセシスという新機能。バイオリン、二胡、サックスの「動作モデル」が用意されています。たとえばバイオリンの音色に対してサックスの動作モデルを適応すると、大音量でビブラートがかかりにくくいというサックスの特徴を持ったバイオリンに生まれ変わります…と説明してもとてもわかりにくいのですが、単なるLFOやフィルター、ポルタメントのコントロールとはまた異質の、演奏に直結した面白い効果が得られます。
カラー液晶はTFTを使っているなど、貴重な話も聞けました。ウェーブテーブル系では味わえない音作りが可能な、シンセサイザーらしいシンセサイザーです。プレイヤー側のイマジネーションが試されます。予価33万円。いいなぁ。
●V-Synth GT(ローランド)
http://www.roland.co.jp/products/jp/V-Synth_GT/index.html

“V-Synth GTを試奏しました!” の続きを読む

NAMM2007で気になった製品(シンセ編)

KORG M3やR3もそうですが、新製品発表ラッシュです。
僕が気になっているのは以下の製品。
●Digitech Vocalist Live4・Live2
http://www.digitech.com/products/Vocalist_Live4/index.php
http://www.digitech.com/products/Vocalist_Live2/index.php
ギターのヴォイシングを自動的に解析して、リアルタイムでコーラスパートを生成してしまう。転調しようがどうしようが、ギターさえちゃんと弾いていれば正しいハーモニーになる、という恐るべき製品。
ボコーダーっぽいけど詳細不明。ページの下部にある「Synth Talk」の商標表記が気になります。
●Roland V-Synth GT(Synthesizer)
http://www.roland.co.jp/products/NAMM.html
シンセサイザーらしいシンセサイザー。V-Synth XTで内蔵されていたボコーダー機能はいかに?
●Yamaha Motif XS(Synthesizer)
やっとモデルチェンジです。DX-7から続く伝統のFS鍵盤から新開発のFSX鍵盤になるのも興味津々。藤本健さんの記事(AV Watch)によると、

また従来アドオンボードでオプションとなっていたボコーダー機能も搭載。

とのことで、大注目です。
というか、Motifにアドオンボードでボコーダー機能追加できるの知らなかったよ(^ ^;)
●Roland/EDIROL PCR-800(MIDI Keyboard Controller)
多少高くなっても鍵盤の質をぐっと上げてくれると嬉しいのですが、さぁどうでしょう。奥の方は弾きやすくなってるかな?アフタータッチ付き、っていうのが気になるところ。パッドを押してプログラムチェンジ出来るならライブでも使いやすそう。
けど、どうだろうなぁ。「新品・安価・ヘボいマスターキーボード」から脱却なるか。DX-7から卒業させてくれるマスターキーボードとなるか!?

KORG R3発表!Vocoder大フィーチャー!

M3など意欲的な製品とともに「Synthesizer/Vocoder」R3がKORGより発表されました!
パネルレイアウトを見ての印象から、microKORGの後継機としての位置づけでしょう。microKORGはミニ鍵盤だったのが玉に瑕。自分としてはネガティヴ・ファクターでしたが、とうとう3オクターブの標準鍵盤装備!今度はAlesisのmicronと真っ向勝負ができますね。PCで凝ったエディットも可能です。ボコーダー機能が使える製品が多いコルグ。期待大!
●KORG R3
http://www.korg.co.jp/Product/Synthesizer/R3/index.html

“KORG R3発表!Vocoder大フィーチャー!” の続きを読む

ライブ初め

身辺がバタついておりまして、すっかり出遅れました。
今年も当ブログをよろしくお願いします!

新年早々、会社のパーティーがありまして、久しぶりにDigiTech Talkerを使いました。曲は○UFFYのアジアの純○(笑)。実は10年前、奇しくも以前所属していた会社のパーティーで演奏した思い出の曲でもあります。
Talker、やっぱり良いなぁ、と確信!永久保存機材決定です!
XV5050のノコギリ波を突っ込んでみましたが、かかりが非常に良い。バリエーションとしてパルス波の音色も作りたいところ。
しかし、なかなか試す機会のないWarp Factoryを実戦投入して評価する、ってのも選択肢としてあったなぁ。
ちなみに、何でも良いから1台、とレンタルしたデジピ(下鍵盤)は何とYAMAHAのPF80。FM音源時代のデジピですよ。鍵盤へにゃへにゃでしたが、けど20年も現役ってことだけで許せます。

Roland VP-550 vs Digitech Talker

前回のライブでTalker、今回はVP-550を使用。メンバーからもリハの時に「ヌケがよい。レスポンスがよさそう」、対バンの人からも、「前回よりもいい音だった」というご意見をいただきました。
奇しくも同じ会場。同じ録音機材(もちろんR-09)。同じ曲もやったので聞き比べをしてみました。
うーむ。確かに。
I Just Wanna Stopでは同じ傾向の音を狙っていたけれど、Talkerにつっこんだ音色に問題があったみたい。使ったパッチはTalkerのNuVoとVP-550のVocoder2。同じ傾向の出音だが、VP-550の方がはっきりくっきり。
キャリアの音色は研究の余地あり。かなりDX-7IIで頑張って作り込んだけれど、やっぱアナログシンセ的なの音色の方が、エフェクトのがかかりが良いかもしれませんね…なんて書いていて、押しの強いMicronとTalkerの組み合わせが結構イケるのでは…などと思い至りました。今度試してみます。
あー、あと。
本題とは関係ないけれど、ボコーダーのマイクとモニターの位置関係は要注意です。今回はカブリが結構あったので、Vocoder1の音色がフランジング(?)してしまいました。ブライトな音色の方がカブリの影響大ですね。
もしマイクが選べるならSM58より指向性の狭いものがベターでしょう。
あとはヘッドセット…マイクの位置に拘束されないから自由で楽しいだろうなぁ…曲中でハーモニカも吹くから僕は無理ですが。
●Roland VP-550インプレッション
http://www.do-mi-so.net/?eid=603325
●Digitech Talkerインプレッション
http://www.do-mi-so.net/?eid=524314

Roland VP-550インプレッション

RolandのVP-550。2ヶ月ぐらい前に酔っぱらって落札しました(おいおい)
Roland VP-550
いいわ、これ。わかりやすい、ホント。
●押せばその音、その機能
液晶やマルチファンクションのボタンが皆無。中身はフルデジタルながら、操作のフィーリングはアナログ度がとても高く、まさに「VP」です。
●音色も究極のわかりやすさ
ボコーダーのプリセットは「2大サウンド」のみです。言ってしまえば
VOCODER1=Y.M.O.
VOCODER2=ハービー・ハンコック
要はテクノとファンクっちゅーことです。ボコーダーらしい演奏するという目的なら、おおよそこれで事足りてしまうのでは無かろうか。
●デジタルのメリット「生っぽいコーラス」
まさにVP=Vocoder Plusの「Plus」の部分。
プリセットのPOPはポピュラー音楽でじゃんじゃん使える音色。おおざっぱに言って低域の方が男性コーラス、高域が女性コーラスっぽく聞こえるので、単純なピッチシフターとも違うニュアンスです。
Brazillian Wedding Songの一節など弾いて、ひとりTake6ごっこをするのもこの音色でイケます。ベース専用のプリセット音(これは人間の声のサンプリング)も使ってやるとさらにいい感じ。
ライン入力もステレオでOKなので、もしかしたら録音のコーラスパートの差し替えやってもサイボーグみたいで面白いかもしれません…試す予定はありませんが。ClassicalとかGospelなどのプリセットで試すのも面白いかもね。
●マイク入力のゲート
細かいことですが、これは非常にありがたい!やっぱわかってるなー。
小さなノイズをオミットしてくれるので、無音時のノイズがありません。これはMicronなんかとは全く違うところ。
●その他
内蔵リバーブも○。モジュレーション系も欲しかったなぁ。
鍵盤付きでセッティングが早い。これも○。
おまけのアンサンブル音色(ストリングス系)も癖がなく汎用的、良質なサウンドです。
強いて弱点を挙げるなら、アフタータッチが無いこと。
両手でオクターブユニゾンのフレーズを弾いて、最後にビブラートをかけたい、みたいな時。7月にライブやったときのセッティング(DX-7IID+Digitech Talker)ならチャンネルプレッシャーでビブラートかければOKだったけれど、VP-550では今は右手でオクターブを押さえ直して左手でモジュレーションレバーを押す、ということになります。
あと、ビブラートのスピードが変えられないこと。プリセットのスピードはすごく自然で違和感無いのですが、出来れば変えられると良かったな。
Oreda Bandのリハでお披露目をしたところメンバーの評価も上々、バンマスの私田さんからも「レスポンスが良いねぇ!」とのお墨付きをもらいました。
この半年間、ボコーダーに投資(人に言わせれば散在)しましたが、しばらくで落ち着く…かなぁ。ま、KORGのRADIUSもいいなぁとは思っておりますケドも(^_^;)

KORG KAOSS PAD KP3インプレッション

KAOSS PAD KP3
とりあえずiTunesを鳴らしてサンプリングしたり、ハーモニカ片手に多重録音のループ作ったりして遊んでますが、従来の(特にラックマウントの)エフェクターの感覚とはまるっきり違ってて、すげーオモロイ!あえて言うなら「エフェクターを演奏する」感じ。
エフェクトだけでなくサンプリングも面白い。テンポさえ合わせておけば、スライス切ってループ組むのもあっという間。BPMを変えれば勝手にタイムストレッチしてテンポに追従してくれるし、(音程は変わるが)音色変化も少ない。4つサンプリングしてそれぞれのネタの音量を調整し、エフェクトをウネウネしながら再サンプリングすれば全く別のループが作れる。ダンスミュージックのクリエイターが何してるか、ちょっとだけ理解できたような気がします。確かにターンテーブルと相性いいわ、コレ。
鍵盤つないでボコーダーとして演奏、ってのにも相当期待していましたが、それはダメみたいです。左上のINPUT SELECTスイッチで入力のソースをラインかマイクか排他的に切り替える、という仕様の時点で、エフェクターとしてのボコーダーではありません。
残された可能性としては、入力はマイク固定で、MIDIで内蔵オシレータをコントロール出来るか、ということですが、これもダメそう。とても残念。ボコーダーの音色はざらっとしてていい感じなので、実に惜しい。そこまでやりたきゃRADIASを買え、ってことですか。
フツーのバンドのキーボード&ハーモニカプレーヤーとして、ライブ演奏でどう生かすかは悩みどころ。ソロ・パフォーマンスなどで使えないか、もうちょっと遊びながら考えることにします。

Alesis Micronインプレッション

Alesis Micron
ちょいと前のことになりますが。
8月初旬、引っ越し早々にヤフオクでMicron即決落札。やってしまいました、いやはや(^ ^;)。もちろん、コンパクトなボコーダーとしての期待から。
音源のクォリティは価格に見合わない。気に入りました。特にベース、リードなどの単音系の音色、ワンショットのリズム音に良い音が多し。エフェクトの種類はかなり控えめで、ダイナミクス系、歪み系、空間系でどれもそれほどバリエーションはありません。
小さな液晶でエディットしづらいという話は良く聞きます…そりゃ直ツマミとは比較になりませんが…本体だけでは全然エディット出来ないかというとそんなことは全然ないです。オシレーターとかフィルター、エンベロープ、エフェクトの関係図がアタマに入っていれば大丈夫。パラメーターはよく整理されているし、小さい液晶ながら波形やエンベロープもグラフィカルに表示してくれます。
さて、ボコーダーとしてのMicronはどうかというと…過剰な期待は禁物でした。プリセットのボコーダー(or ボコーダー的)音色5つがどれも良くありません。うち4つはSEグループにカテゴライズされており、キャリアの音色が3オクターブユニゾンだったり、5度の倍音の量がすごく多かったり、エイリアンボイスっぽいエグイ音ばっかり。まぁ、DJが使うエフェクトならこんなもんでしょうが、演奏で使えるかというと微妙です。いわゆるフュージョン的な、メロディを気持ちよく演奏できるようなプレーンな音色が欲しかった。
しゃーないので自作パッチ作成開始。
3つばかりコツを見つけました。
ひとつは、ボコーダーエフェクトのパラメーターDecay。
このパラメーターを100%に近づけるほど5度の倍音が減って楽音らしくなります。「そんなもん歯切れ良くゼロでいいじゃん」と無視していたけど全然違った。いじってみるものです。
ふたつめ、キャリアの波形はパルス波が良い。
基本中の基本ですが、ノコギリ波が良いと思いこんでいましたが、パルス波(否、単純な矩形波)の方がボコーダーらしいざらっとした音になりました。
最後にFilter Type。
3種類のVocal Formantフィルターを持っており、キャリアの音色のフィルターとしてそれを選ぶと「らしく」なります。他にも往年の名機を模したフィルターがあって、普通の音色を作る際にはこれも面白い。
まだまだ発展途上の音色。これからキャリアを煮詰めていきます。
コントローラーに慣れるのも重要ですね~。光るベンダーは百歩譲って何とか使うとしても、モジュレーションが辛いなぁ。
あ、ひとつ良いことも…マイクプリアンプは不要です!ダイナミックマイク直接差しても十分なゲインが得られました。

KORG KAOSS PAD KP3発表!

コルグから“ダイナミック・エフェクト・サンプラー”KAOSS PAD KP3が発表されていました。前機種KP2が大幅に安くなっていたのでいよいよか、と思っていましたが。
以前のエントリにも書いたように、KP2はボコーダー内蔵、しかしながら鍵盤での演奏が不可能、という仕様でした。KP3では(どの程度コントローラブルかは不明ですが)シンセ音源も内蔵している、との記述とともに、

ボコーダーもRADIASと同等のものへと進化。マイク入力端子にマイクを接続し、本格的なボコーダー・サウンドをリアルタイムで生成することができます。

と紹介されており、期待してしまいます。
内蔵音源をキャリアにしてMIDI鍵盤でコントロールだけでなくて、通常のエフェクターっぽく外部のキャリアを突っ込んでも使えると嬉しいなぁ。パッドでウネウネ出来るのはライブの時にも面白そうだし、ルックスもさらに良くなっているし、これは買いか?
●KORG Dynamic Effect Sampler「KAOSS PAD KP3」
http://www.korg.co.jp/Product/Dance/KP3/
●2006.11.8追記
買ってしまいました。
しかし。
KP3のボコーダー機能は鍵盤で演奏できません。いい音だけにとても残念。サンプリングしたネタにボコーダーかけるとSEとしてスッゴい面白いっすね~!やみつき!
購入後のKP3のインプレッションはこちら↓
http://www.do-mi-so.net/?eid=602533

DigiTech GNX3000インプレッション

ボコーダーとしてTalkerエフェクトを使いたい、という動機で購入して早2ヶ月のDigiTech GNX3000。何度かのリハと本番で使ってみました。ま、ギタリストでもないのにギター用のマルチエフェクターをレビューするのもおかしな話ですが(^ ^;)
DigiTech GNX3000
このパッチ、オリジナルで作ったさ。
●ボコーダーとして
その後、結局オリジナルのTalkerもeBayで落札しました。
同じ「Talker」と謳ってはいますが、比較してみるとコントロール出来るパラメータが全然異なります。
GNX3000版Talkerの音色は1種類のみで、その明るさを5段階で調節できます。
かたやオリジナルのTalkerは「NuVo」「Alien」などプリセットの音色が6つ用意されており、パラメータのコントロールはいっさい無し。どちらもシンプルですね。
音の明るさはキャリアの音色(シンセやギターなどの楽器音)でコントロール出来るので、音のキャラクターをそっくり変えられる分オリジナルTalkerの方がやや優れているといえるかもしれません。
●ボコーダーサウンドに対するエフェクト
オリジナルTalkerにもせめてモジュレーション系+空間系ぐらいのエフェクターが内蔵されていると鬼に金棒でしょうね。エグいフランジャーをかけたい曲があったけれど、セッティングが複雑になるのであきらめました。
GNX3000なら後段にたくさんエフェクター使えます。
●ハーモニカ用のエフェクトとして
GNX3000はアンプモデリング周辺の機能をバイパス(またはオフ)にして、エフェクト最終段のモジュレーション系と空間系のみ通過させることが可能です。クロマティック・ハーモニカはクリアに聴かせたいのでこれは重要。
ブルースハープ奏者なら、反対にアンプモデリングを積極的に使うと非常に面白そうです。GNX3000のアンプモデリングは秀逸で、通常あり得ないようなアンプとキャビネットを組み合わせてセットを作成できます。それが音色の太さにダイレクトに反映します。
7/15のライブではディレイ&リバーブを基本として、曲によってピッチシフターで4度下(ソロ)や上下各1オクターブ(ソリ)を使用しました。オクターブ上を重ねるとかなり面白いサウンドになります。
●その他
ツボを押さえたパラメーターとシンプルなインターフェイスで非常に理解しやすい。ほとんど戸惑うことはありませんでした。
そして重い(笑)。
こういうタイプのギターエフェクターは、ちょっと踏んだだけで場所がずれちゃったらマズいんで、単純に「軽ければ良い」というものでもないんでしょう。しかしこれと鍵盤担ぐのはかなり大変。