アンティグア/トム&ジョイ

アンティグア
アンティグア
トム&ジョイ
先日、名古屋のとあるカフェで打合せの最中、流れてきたクロマティック・ハーモニカのフレーズ。すぐさま店員に「今の何?何?何?」と教えてもらって購入したアルバムがこれ。
クレプスキュール系が好きなら(アンテナとか…僕も例外ではない)ハマるであろう、カフェ向きの聞きやすいポップスです。
クロマティック・ハーモニカの主はOlivier Ker Ourioでした。Sous tes ailes、Esquisseの2曲に参加してます。フレージングもそんなにとんがっておらず、非常に良い感じです。
Olivier Ker Ourio、久々でした。
ちょっと意識して漁ってみようかなぁ。

Re-Cool Reflections/寺尾聰

Re-Cool Reflections
Re-Cool Reflections
寺尾聰
今朝、地下鉄で向かいのおじさんが呼んでた新聞。テレビ欄左下に寺尾聰のアルバム発売広告が。この間テレビCFでちらっと見かけて、何だろう?と思ってたら、そういうことか。改札を出て新星堂に直行。
日本のAORの金字塔たる名盤「Reflections」。俺も何回聴いたことか。で、あの究極の名作を曲順もそのまま新録音した、というのがこのアルバム。参加ミュージシャンは、オリジナルReflectionsにも参加している、井上鑑、今剛、高水健二、林立夫。それよりも少し若い世代からは山本拓夫、ゴスペラーズ。そして海外からはアレックス・アクーニャにヴィニー・カリウタ。冨田ラボでもおなじみ金原千恵子ストリングスも参加。CDとSACD(スーパーオーディオCD)のハイブリッド盤でもあります。SACDなんて初めて手にしました。聴き比べしたいけどプレーヤーが無いよ。
オリジナルの面影をちゃんと残した新アレンジが素晴らしいです。よくある、テンポも何もかも変わってしまったセルフカバー。原曲のが良かったな、みたいな。そういうのとは一線を画してます。「二季物語」の新録音「Re-Cool 二季物語」の後半、オリジナルではレゲエのリズムでオルガンソロだったのがスウィングでギターソロになっていたりしてニヤッとさせられます。「ダイヤルM」イントロの効果音「ジーコ、ジーコ、ジーコ、プルルル、プルルル、この電話番号は、現在、使われておりません、ガチャ」は残念ながら無くなりました(笑)。
一番最後にはルビーの指輪がオリジナルアレンジのまま「新録音」されています。
寺尾聰のボーカルは相変わらずダブリングのノリがホントに気持ちよくて、ホントに25年も経ったのかと思うほど同じ雰囲気。アートワークで使われている写真も、めっちゃカッコイイ。男、タバコ、ハバナの港、女、別れ、置いてくぜ、みたいな世界観もさ、海外旅行が珍しかった時代ならではで(笑)、ものすごく新鮮な気がしました。
オリジナルもリマスターで発売されないかな~。

冨田ラボコンサート(Tomita Lab Concert) DVD

Tomita Lab Concert
Tomita Lab Concert
3月にライブを見たときには、よもや発売されることはあるまい、と思っていましたが、嬉しいことにDVDが発売!しかもMCも含めてほぼノーカット!

[第1部]
01.Waltz [5’18”]
02.罌(け)栗(し) / 畠山美由紀 [5’27”]
03.耐え難くも甘い季節 / 畠山美由紀 [6’43”]
04.ずっと読みかけの夏 / CHEMISTRY [6’50”]
05.しあわせのBlue / 武田カオリ(Tica) [6’16”]
06.道 / 武田カオリ(Tica) [7’00”]
07.Shiplaunching [4’06”]
08.プラシーボ・セシボン / 高橋幸宏+大貫妙子 [5’17”]
[第2部]
09.Blue Ⅱ [9’56”]
10.Like A Queen / SOULHEAD [6’14”]
11.アタタカイ雨 / 田中拡邦(MAMALAID RAG) [6’37”]
12.香りと影 / キリンジ [4’14”]
13.乳房の勾配 / キリンジ [5’15”] 
14.Shipyard(edition1) / Saigenji [3’31”]
15.太陽の顔 / Saigenji [6’53”]
16.恋は傘の中で愛に / Ryohei [6’49”]
[ENCORE]
17.眠りの森 / ハナレグミ [7’04”]
18.Prayer On The Air [5’11”]
19.Waltz ~Reprise~ [4’25”]
[CLIPS]
1.プラシーボ・セシボン feat. 高橋幸宏+大貫妙子 [5’11”]
2.ずっと読みかけの夏 feat. CHEMISTRY [6’33”]
3.アタタカイ雨 feat. 田中拡邦(MAMALAID RAG) [6’00”]
4.Like A Queen feat. SOULHEAD [3’44”]

ステージを俯瞰するアングルのカメラなどは、当日は全く気づきませんでした。カット割りも絶妙で映像作品としてもなかなかです。よくよく聴いてみると、打ち込みとおぼしきコーラスパートのサウンドも鳴っていたりetc.新たな発見もありました。
当日のブログにも書いたけど、松本圭司さんのキーボード、んーとにかっくいいなぁ。カラダがゆったりゆらゆらしつつも、シャープな音が続々繰り出されたりとか。こんな風にリズムを感じながら演奏してみたいなぁ、などと思ってみたり。
これ見たさにノートPC持参して東京への移動中に見たりして、DVDなのにヘビーローテーション、という奇妙な状況です。
地球上の全ポップスファンに、超超超オススメ。
1月にはブルーレイディスクも発売になるのですな。むむむ。

Holy Wishes/noon

Holy Wishes
Holy Wishes
noon, 小沼ようすけ, ユキ・アリマサ, 佐藤慎一, 加納樹麻, スティーヴ・サックス, 西脇辰弥, 井上陽介, セシル・モンロー
木枯らしも吹き、もうすぐナット・キング・コールの歌声も恋しいクリスマス。そんなこの時期、素晴らしいクリスマス・アルバムがリリースされました。
何たって西脇辰弥プロデュース作品でございますよ。そして、noonはラジオで流れるたびずっと気になっていたシンガー。そりゃ買いでしょう。
小沼ようすけのギター伴奏のみでThe Christmas Songが始まる。一事が万事、アルバム全編がシンプルな編成の音数のアコースティック・アンサンブル、そこにnoonの歌声がふわっと乗っかっている。
西脇さんのハーモニカは2曲。Tr4のLast Christmasでは「サンタが街にやってくる」のフレーズが混ざっててちょっとお茶目です(^_^)。それとTr6。クリスマスにジョニ・ミッチェルのRiverのカヴァー、っていうセンスも素晴らしい。
西脇さんの演奏に限らず、全体的にとても音数が少なくて、1音1音を丁寧に丁寧に紡ぎ出しているようなサウンド。何かと気ぜわしい時期にほっと一息つける、心地よいアルバムでした。

Froggie/五島良子

Froggie
Froggie
五島良子
10年近く前にヘビーローテーションだったこのアルバム。
iTunesに放り込みがてら久しぶりに聴いていてビックリ!
2曲目でクロマティックが鳴ってるじゃないのさ!
吹いてるのは、Tollack Ollestadでした。
Tollackと言えば、今年の初めにこんな記事を書いたばかり…全く同じ状況じゃん(笑)。そういうご縁のプレーヤーなのかもしれません。
プレイはシングルノートをリズミックに、って感じで、難しいことはやってません。ノリ一発。タイム感はやっぱスティーヴィーっぽいんだよなー。
ちなみに8&9曲目もフリー・リードな音色が聞こえますが、どうもピアニカのようです。
ところでこのアルバム、ドン・グルーシンがアレンジや演奏で参加してます。他にはカルロス・ヴェガ(ds)、アレックス・アクーニャ(prec)、カルロス・リオス(g)、エイブラハム・ラボリエル(b)とウェストコースト・フュージョンを代表するミュージシャンが多数参加してます。オリジナル・ラブの接吻のカヴァー(中島美嘉より10年早かった)や、ジョアン・ドナートのThe Frogのカヴァーも面白い、日本のポップスの隠れた名盤です。
同じ頃に古内東子がStrengthというアルバムでブレッカーやらサンボーンやら、イーストコーストのミュージシャンと競演しているのと似てるかも。こっちも超名盤なのでそのうち書きます。

French Riviera/Isabelle Antena

みんな大好き、パット・メセニーやパット・メセニー・グループの記事満載Pat Weekさんの記事で教えてもらいました。
20代前半の頃はホントにホントに大好きで、ずーっと聴いていたイサベル・アンテナ。バンドでもFrom Day To Dayをカバーしたなぁ。92年だったか、アルバムLes Dernies Guerriers Romantiquesのツアーで訪れた新宿厚生年金会館で出待ちしたこともあった。お客さんかスタッフからもらったのであろう、でかい花束を抱えて現れたアンテナに、握手、っつーか、花束のせいで握手が出来ず指を握らせてもらった。懐かしい。
今年に入って年初のトゥーツの来日公演のベーシストBart De Nolfさんは以前アンテナのツアーで来日した、なんて話もして(2006.1.29のエントリ)、浅からぬ縁を勝手に感じていたのですが、ここ数年は日本のクラブシーンとの交流があったそうで、素晴らしいサウンドのアルバムがリリースされました。ここしばらく、特にクルマの運転の際にはまっております。
French Riviera
French Riviera
Tr1はボサノヴァのパターンで始まって、お!いいねぇ!やっぱアンテナだねぇ!と思いきや、ほどなく4つ打ちのキックが重なり意表を突かれる。けれどヘンにコンサバティブで、当時と全く同じサウンドを聞かされるよりも、まさにこんなサウンドで歌うアンテナが聴きたかった!!
当時よりもほんの少しハスキーさが増したアンテナの声もいい感じです。Tr4のBrazillian Dorian Dream、異常に複雑なメロディーをスキャットで。サビのあたりはバート・バカラックとも結びついてしまった。
いやー、いいわ。
最近オシャレなサウンドから遠かったアナタ!オススメ!

THE WAY UP – LIVE(DVD)/Pat Metheny Group

ザ・ウェイ・アップ・ライヴ(DVD)
ザ・ウェイ・アップ・ライヴ(DVD)
あの感動から早くも1年半が経ってしまった。
・Pat Metheny Group@東京国際フォーラム
http://www.do-mi-so.net/?eid=146531
http://www.do-mi-so.net/?eid=146599
アルバム「THE WAY UP」のツアー、韓国でのライブの模様を収録したDVDが発売。この日を心待ちにしていました。
いやー、感動。素晴らしい!!
70分1曲のアルバムを完全再現、とは言っても、そこはライブ。あらためて聴いてみると細部は異なっているし、よりダイナミックな印象です。
これほど多様で複雑な音楽をライブで聴くとなると、日本人ならpppからfffまで聞き逃すか!というスタンスで緊張しながら聴いていたりするけれど、収録のインタビューでパットも言及する通り韓国のオーディエンスは熱い!本当に「曲の盛り上がり度と熱気がシンクロ」しています。
グレゴア・マレ(ひどいことに、このアルバムのライナーノーツも誤記してる)は、ご本人に教えてもらったとおりのシステム。
・Gregoire Maretのマイク判明
http://www.do-mi-so.net/?eid=171300
ライブの時はあまりいい音だとは思いませんでしたが、このDVDに収録されているハーモニカの音色は、エフェクトリッチでオフ気味に処理してあって、周波数のレンジが狭いながら存在感のある、いい音です。
ともあれ、このエポックなアルバム、エポックなライブに…それはジャズの歴史においてはもちろん、全ての音楽の歴史において…クロマティック・ハーモニカという楽器がフィーチャーされたことを、あらためて誇りに思います。
もちろん、買いですよ!買い!!
アルバムと共に大推薦!!

East Coast, West Coast/Toots Thielemans

イースト・コースト,ウエスト・コースト
イースト・コースト,ウエスト・コースト
トゥーツ・シールマンス他
長らく廃盤状態で、僕も手に入れるのに苦労しましたが、再発されました。しかもリマスタリングされてます&安価。わーい。早速買い直しました。
名盤ブラジル・プロジェクトのジャズスタンダード版、といった趣。参加ミュージシャンがものすごいです。ジョン・スコフィールド、テレンス・ブランチャード、マイク・マイニエリ、ライル・メイズほか(以上イースト・コースト)、ハービー・ハンコック、チャーリー・ヘイデン、ピーター・アースキン、ロベン・フォードほか(以上ウェスト・コースト)…うぎゃ~~。
収録曲数が多く、1曲が短めなのが贅沢な悩みってところでしょうか。
このアルバム、オリジナルの発売が1994年。ライナーノーツを塩谷哲さんが書いています。オルケスタ・デ・ラ・ルスのレコーディングにトゥーツがゲストで参加した時のエピソードが一読の価値あり。なので輸入盤じゃなくて邦盤の方がいいですね。

佐藤竹善/Big Time~Okra Tour 2005-2006~

Big Time~Okra Tour 2005-2006~(DVD付)
Big Time~Okra Tour 2005-2006~(DVD付)
佐藤竹善
2度も見に行ったライブです。あまりに楽しみだったのでリリース告知まで書いてしまった佐藤竹善のライブアルバム、とうとう発売になりました。塩谷哲&西脇辰弥という超強力ツインキーボードがサポート。
おまけどころか実はCDよりも収録曲数の多いDVD。バックのミュージシャンの演奏を大切にした編集が本当にうれしい。「このメンバーでひとつの音楽を作り上げているのだ」という思いが伝わってくる。Chapter5(CDのTrack4)、Blueのエンディングでは西脇さんのハーモニカソロがクローズアップで大フィーチャーされており、ハーモニカ的には一番の聴き所。
ステージ上でしっかりコミュニケーションをとって、お互いの音に反応しながら演奏しているメンバーの皆さん、本当に楽しそう。なんだか、ライブというリアルタイムのドキュメンタリーを見ているようだ。

One More For The Road/Toots Thielemans

当ブログでハーモニカについてエラソーなことを色々書いておりますが、僕がハーモニカに目覚めたのは2001年12月なので、待ちこがれてトゥーツの新譜を手にするのは実は初めてなのです。
One More for the Road
One More for the Road
作曲家ハロルド・アーレンにトリビュートする企画アルバムで、大勢のゲストボーカリストを招いてオーケストラサウンドとともに収録されています。
バラード中心の構成でトゥーツはゆったりと吹いている感じ。
素晴らしい女性ボーカリストも多いけれど、あえて推したいのはティル・ブレナーと、今をときめくジェイミー・カラムの男性2人。特にTrack5のジェイミーのピアノ&ヴォーカルとトゥーツのハーモニカの対決(?)はニンマリでした。
以前トゥーツと西脇辰弥さんとの対談で、トゥーツは「僕はレコーディングでもマイクはSM58だ」と語っていますが、どうもそれはこのアルバムに関しては本当みたいです。もろにダイナミックマイクの音(ちょっとコンプ?リミッター?がキッツイか?)。ブックレットの表4にもSM58が写ってます。
そして発見!SM58のグリルの先がつぶれてる!これはきっとわざとでしょう。これならハーモニカと接触しにくい!
「俺もつぶすぜ!」と思ったのは中学生のカバン以来か?(笑)
トゥーツといえば、3月のカーネギーホールでのスペシャルライブの様子が公式サイトに載ってますね。3月の初旬にチケットがまだ買えそうだったので1泊3日で見に行こうか真剣に悩んでました。行けば良かった!(え?)
http://www.tootsthielemans.com/news/news.html
このアルバムが、One More “Album” For The “Harmonica” Road、にならないことを祈りつつ…。