カンヌで作品賞の時はすごい騒がれ方だった。80年だそうで、小学生の時だ。そんなトピックを覚えていたからこそ、黒澤明の作品を今ぼつぼつ観ているのだと思う。
で、この作品、すごい迫力なんだけど、エンターテインメントとしては七人の侍の方が上か。しかしサウンドにはすっかりやられてしまった。家臣たちの裃の色が一人ずつ違っていたり、戦場での光と影(文字通りの、光線と陰影)だったり、つづみ一発で何かを語らせてしまったり、映画の、娯楽性よりも芸術性が全面押し出されている。まぁヨーロッパで受けるワケよ。何であの日本育ちのじいちゃんがこんなすごいセンスを持っている?それだけでもすごい。
最初は勝新太郎だったらしいが、途中でクビになったらしい。かえって、ラストシーンの白塗りになった「狂気」の演出には仲代達矢の方がハマっていたように感じた。★★★★☆。