家族の風景

…とまぁ、トゥーツの公演、もちろん行きたくて行っていたのだが、名古屋最終日はちょっと特別だった。
今月、両親が二人とも誕生日を迎え、70になる。
記念日を大切にしない家庭に育ち、10年前に還暦のお祝いをしなかったことなんて気にもしていなかった。
けど、ここ数年、両親にはさんざんな思いをさせてしまっている。2年前俺が離婚してしまい、こんな歳なのに孫の顔は遠のく一方…ちょっとぐらいは罪滅ぼしをしておこうかと、古希のお祝いを兼ねて、家族4人で名古屋ブルーノートのテーブルを囲んだのだ。
名古屋の都心なんてバスと電車で40分くらいのものだが、父も母も名古屋なんてしばらく来ていなかったらしい。ずっと車いす生活の妹も本当に久しぶりの外出。
父は複音ハーモニカの経験が少しあるので、予想に違わず喜んでくれた。「やっぱりあれは神様だなぁ」などと俺に語りかけてみたり、メンバーのソロが終わるたび、やんやと声援を送っていみたり。日本酒2合が手伝った上機嫌でお店のスタッフを握手攻めし(笑)、下手な字で一生懸命アンケートも書いていた。
ステージ上のトゥーツが82歳(大正11年生まれ)であれだけ元気に演奏しているのが母も衝撃だったらしく(思った通り。しめしめ)、「ほー。どこの国の人?ベルギー?82歳?ほー。あれはあんたのハーモニカと一緒?ほー。同じなのに全然音違う」(うるさい!笑)としきりに感心していた。日頃ジャズとは無縁、J-POP好きの妹も終始にこにこしていたので、彼女なりに楽しんでくれたようだ。車いすの件は事前に電話で打合せをしておいたので対応も丁寧でスムーズだった。野坂さんはじめ名古屋ブルーノートのスタッフに感謝。
昨日の公演後、家族で来る旨伝えてあったマネージャーのDirkさんが公演後席まで訪ねて来てくださり、一同大興奮。父は今度はサンキュー連発攻めだ。
帰りのタクシーは参ったな。後部座席の父はひたすら上機嫌で、過ぎていく栄や今池、覚王山の街々を「昔はこの辺一帯、トウモロコシが植えてあって…あだったこうだった」とノンストップで語り出し、妹と母は相当迷惑そうだった。
やれやれ。長生きしてくれよ、ホント。
タイトルはハナレグミの曲からもらいました。ハイライトもウイスキーグラスもうちのテーブルにはありません。

投稿者: mellowtone

音楽とハーモニカと猫と自転車を愛するおじさん。 昔のブログ→ http://www.do-mi-so.net Twitter→ http://twitter.com/mellowtone 猫→ http://nyahoi.com

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